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「ぶっちぎり」の runaway [ニュースと英語]

去年、総理になることが確実視されていた安倍さんに関連して shoo-in という単語を取り上げた。あれからちょうど1年が経ち、総理の座は福田康夫氏に移ろうとしている。ネット上の英文記事を読んでいたら、自民党総裁選で福田さんが断然優勢であることを表すのに、同じ shoo-in を使った例があったほか、runaway という単語を使った英文も見かけた。

Yasuo Fukuda emerged as runaway leader to become Japan's next prime minister on Monday after a survey of ruling party lawmakers who must choose between the 71-year-old veteran and his hawkish rival Taro Aso next weekend.
(Reuters)

runaway を辞書で引くと、名詞として「逃亡(者)」「家出人」「駆け落ち」など、またその形容詞としての意味があるが、それ以外に「手に負えない、制御できない」、さらに「楽勝(の)」「圧勝(の)」「大成功の」などが載っている。英英辞典から、形容詞の定義をあげると、

- easily won or achieved: won by an overwhelming margin, or achieved to an impressive degree
- happening or done quickly or uncontrollably
(例) runaway success

などとある。他者をあっという間に引き離してどんどん先へ行く、という感じであろうか。

また、昔作った英語学習ファイルをあたってみたら、「圧倒的勝利」や「大勝」として、おなじみの landslide (victory) や、overwhelming victory, outright victory, resounding victory, sweeping victory といった表現がメモしてあり、復習になった。

このうち resounding は、この場合 making an echoing sound ではなく impressively thorough or complete という意味にあたるが、発音面では sound という語が含まれていることから - s - は /s/ 音かと思うと、実は /z/ なので注意が必要だ。

もうひとつ、冒頭にあげた英文にある leader は、日本語の「リーダー」からの連想で、国家や組織、団体の指導者のことを思い浮かべがちだが、この単語には、a person or thing that is the best, or in first place in a race, business, etc. という意味もある。「マーケットリーダー」のように、この意味でも日本語になってはいるが。

さらについでに、冒頭の例文は今月17日付けの記事だが、今度の日曜日、23日に行われる総裁選を next weekend と表現している。日曜日を週の1日目に数えない人がいるのはともかく、next がいつ(どれ)を指すのかあいまいな場合があるという指摘を耳にしたことがある。あらためてこの単語について確かめてみなくては、と思った。

最後に、やはり Reuters の記事から、福田さんについて shoo-in が使われた例である。

Former cabinet minister Yasuo Fukuda appears a shoo-in to become Japan's next prime minister after a poll showed on Tuesday that most rank-and-file supporters of the ruling party -- like lawmakers -- backed him for the job.

さて、安倍さんの後継として確実視されていた麻生さんが、あっというまに不利になったのを見ると、やはり「一寸先は闇」なのが政治なのだろうか。週刊誌などには麻生さんの戦術の失敗がいろいろ書かれているが、一般の目からすると、安倍さんがあまりに未熟だったため、その反動として福田さんに堅実さを求めているようにも思う。

インタビューや演説をテレビで見ると、あまり具体的なことを言っていないのは安倍首相とあまり変わらないものの、空虚な言葉やスローガンを振り回していた安倍さんが実際は何も考えていないのではと思わせたのに比べると、福田さんは本性を見せない「狸」のようにも見えるところは年の功か。ソフトな語り口も、今のところ退屈というより、一種の「癒し系」とも受け取れるし、麻生さんの派手さや面白さとの対照が、かえってプラスに働いているようにも感じられる。

実際は頑固な性格で、サラリーマン時代はかなりやり手だったということだが、首相としての力量がどうなのか、実際に選ばれてから問われることになる。

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