「靴投げ」と bookend [ニュースと英語]
前回同様、TIME 誌の最新号から取り上げる。先日イラクを訪問したブッシュ大統領が、地元記者から靴を投げつけられたという騒動を取り上げた記事に、次のようなくだりがあった。
この bookend という単語、文脈から意味の想像はつくが、こんな風にも使われるのだな、と思う。次のような定義が辞書で見つかったが、名詞の「ブックエンド」くらいしかあげていない英英、英和もいくつかあった。動詞として使われるようになったのはそう昔のことではないのだろうか。
今回の記事のように時系列で並んでいる内容を日本語にする場合、文脈によっては「~で始まり~に終わる」というような訳もできるのでは、とも思った。また、「サンドイッチ」といった訳も使えるかもしれない。ただこの bookend は、動的・積極的に「はさむ」というよりは、両端に何かが置かれている、というイメージでとらえるべきではないかとも感じる。しかしそのへんのニュアンスは具体的にはわからないし、これまた文脈によるかもしれない。
さらに be bookended between A and B といえば、文字通りには「板ばさみ」ということになるだろうが、日本語の持つ「どちらにつけばいいのか困っている」といった意味合いが出るのかどうかはわからない。ネットで検索したが、この言い回し自体ヒット数が少なかったし、実例も詳しくは調べてはいない。
さて今回の「靴投げ騒動」、日本の新聞記事では「アラブ世界では靴投げは最大限の侮辱を表す」といった説明がされていた。「タイム」の記事にも、
という文があった。まあ日本でも、よほどのことがない限り他人に靴を投げつけるなんてことはしないだろう。靴をよけたブッシュ大統領は
とジョークを飛ばしたという(調べたらアメリカの size 10 は日本の28.0センチに相当するようだ)。しかし銃撃にあったレーガン大統領が夫人に言ったという "Honey, I forgot to duck."のように「うまい」とは思えないのは、やはりイラク戦争でブッシュが抱えこんだ「業」の深さによるのだろうか。一方、今回の騒ぎで思わず笑えたのは、靴を作ったトルコのメーカーに注文が殺到しているということである。
http://edition.cnn.com/2008/WORLD/meast/12/22/shoe.thrower.turkey/
[参考]
・put into writing, put into words
・「どこまでを~どこからが~」を英語でどういうか
・「かわす」duck
・「かわす」dodge
・Artful DodgerとSlick Willie
・「絶体絶命」その他のイディオム
・「絶体絶命」の本当の由来は何か
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When the next history of Iraq is written, the chapter on the stormy years following the U.S. invasion will be bookended by two iconic images: one of elated Iraqis in Firdos Square in 2003 raining their loafers and boots on a fallen statue of Saddam Hussein, and the other of President George W. Bush ducking flying footwear at a 2008 Baghdad press conference during the last official visit of his term. (http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1867114,00.html)
この bookend という単語、文脈から意味の想像はつくが、こんな風にも使われるのだな、と思う。次のような定義が辞書で見つかったが、名詞の「ブックエンド」くらいしかあげていない英英、英和もいくつかあった。動詞として使われるようになったのはそう昔のことではないのだろうか。
- to occur, or make something occur, on both sides or at the beginning and end of something ( informal ) bookend a speech with anecdotes
- (usu. be bookended)occur or positioned at the end or on either side of (something)
- [通例 be ~ed] はさまれている
今回の記事のように時系列で並んでいる内容を日本語にする場合、文脈によっては「~で始まり~に終わる」というような訳もできるのでは、とも思った。また、「サンドイッチ」といった訳も使えるかもしれない。ただこの bookend は、動的・積極的に「はさむ」というよりは、両端に何かが置かれている、というイメージでとらえるべきではないかとも感じる。しかしそのへんのニュアンスは具体的にはわからないし、これまた文脈によるかもしれない。
さらに be bookended between A and B といえば、文字通りには「板ばさみ」ということになるだろうが、日本語の持つ「どちらにつけばいいのか困っている」といった意味合いが出るのかどうかはわからない。ネットで検索したが、この言い回し自体ヒット数が少なかったし、実例も詳しくは調べてはいない。
さて今回の「靴投げ騒動」、日本の新聞記事では「アラブ世界では靴投げは最大限の侮辱を表す」といった説明がされていた。「タイム」の記事にも、
In many Eastern cultures, hurling a shoe at someone is a grave insult.
という文があった。まあ日本でも、よほどのことがない限り他人に靴を投げつけるなんてことはしないだろう。靴をよけたブッシュ大統領は
"All I can report is it is a size 10."
とジョークを飛ばしたという(調べたらアメリカの size 10 は日本の28.0センチに相当するようだ)。しかし銃撃にあったレーガン大統領が夫人に言ったという "Honey, I forgot to duck."のように「うまい」とは思えないのは、やはりイラク戦争でブッシュが抱えこんだ「業」の深さによるのだろうか。一方、今回の騒ぎで思わず笑えたのは、靴を作ったトルコのメーカーに注文が殺到しているということである。
http://edition.cnn.com/2008/WORLD/meast/12/22/shoe.thrower.turkey/
[参考]
・put into writing, put into words
・「どこまでを~どこからが~」を英語でどういうか
・「かわす」duck
・「かわす」dodge
・Artful DodgerとSlick Willie
・「絶体絶命」その他のイディオム
・「絶体絶命」の本当の由来は何か
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