2009年の英語版・流行語大賞 (unfriend) [Word of the Year]
先日「今年の漢字」として「新」が選ばれたが、英語圏でもいくつかの団体がその年を表わす単語を選定しており、ここでも毎年取り上げてきた。ネットを見ると、すでに2つの団体が「2009年の言葉」 Word of the Year を発表している。
オックスフォード社の The New Oxford American Dictionary が選んだのが "unfriend" である。SNSの友達リストから削除することをこう言うのだそうだ。
そして上記オックスフォード社のブログサイトは
と書いている。この have both currency and potential longevity というのも面白い言い方だな、と思った。「いま現在だけでなく、今後もずっと使われ続ける可能性がある」という意味だろうが、こんな風に表現できるわけである。
続いて、
という記述がある。friend が動詞として使われることは、少なくとも17世紀このかた例がなかったらしい。そこで real lex-appeal があると筆者はいう。lex (複数形は leges) は単体で law という意味があるものの、ここの lex- は lexicon, lexis などのように言語について言っているのだと思う。言葉に興味がある人、言葉を調べている人にはたまらなく面白い、ということなのであろう。
ところで上記オックスフォード社のサイトには「defriend という方がふさわしいのでは」というコメントが寄せられている。私のような非ネイティブスピーカーには、確かにこの方が意味を類推しやすいように思う。
また unfriend からは unfriendly を連想するが、改めて辞書を引いてみたら unfriended という単語があり「(まれ)友人のいない」と訳されていた。類語には friendless があり、こちらの方が普通に使われるのだろう。
ついでに befriend という動詞があるが、これは「~の味方になる、~の世話をする、助ける」という意味で、「友人になる」ではない。その「友だちになる」といえば、make friends with はすぐに思いつくが、一語での動詞が頭に浮かばない。
さて、「今年の言葉」は、このほか毎年 Merriam-Webster 社や American Dialect Society が選定しているが、前者はすでに発表されている。そのサイトを見ると、新語というより検索のあった単語を選んでいるようだが、今年は "admonish" だった。
http://www.merriam-webster.com/info/09words.htm
"You lie!" という言葉を吐いてオバマ大統領を批判した共和党の Joe Wilson という下院議員に対し、議会が譴責決議を可決したことに関連して注目を集めた言葉だそうだが、日本にいる私には背景事情を詳しく知らないこともあり、ピンと来ない、ちょっと「ハズレ」、という気持ちにさせられる今回の選定であった。
オックスフォード社の The New Oxford American Dictionary が選んだのが "unfriend" である。SNSの友達リストから削除することをこう言うのだそうだ。
unfriend - verb - To remove someone as a ‘friend’ on a social networking site such as Facebook.
As in, “I decided to unfriend my roommate on Facebook after we had a fight.”
( http://blog.oup.com/2009/11/unfriend/ )
そして上記オックスフォード社のブログサイトは
“It has both currency and potential longevity,” notes Christine Lindberg, Senior Lexicographer for Oxford's US dictionary program.
と書いている。この have both currency and potential longevity というのも面白い言い方だな、と思った。「いま現在だけでなく、今後もずっと使われ続ける可能性がある」という意味だろうが、こんな風に表現できるわけである。
続いて、
Most “un-” prefixed words are adjectives (unacceptable, unpleasant), and there are certainly some familiar “un-” verbs (uncap, unpack), but “unfriend” is different from the norm. It assumes a verb sense of “friend” that is really not used (at least not since maybe the 17th century!). Unfriend has real lex-appeal.”
という記述がある。friend が動詞として使われることは、少なくとも17世紀このかた例がなかったらしい。そこで real lex-appeal があると筆者はいう。lex (複数形は leges) は単体で law という意味があるものの、ここの lex- は lexicon, lexis などのように言語について言っているのだと思う。言葉に興味がある人、言葉を調べている人にはたまらなく面白い、ということなのであろう。
ところで上記オックスフォード社のサイトには「defriend という方がふさわしいのでは」というコメントが寄せられている。私のような非ネイティブスピーカーには、確かにこの方が意味を類推しやすいように思う。
また unfriend からは unfriendly を連想するが、改めて辞書を引いてみたら unfriended という単語があり「(まれ)友人のいない」と訳されていた。類語には friendless があり、こちらの方が普通に使われるのだろう。
ついでに befriend という動詞があるが、これは「~の味方になる、~の世話をする、助ける」という意味で、「友人になる」ではない。その「友だちになる」といえば、make friends with はすぐに思いつくが、一語での動詞が頭に浮かばない。
さて、「今年の言葉」は、このほか毎年 Merriam-Webster 社や American Dialect Society が選定しているが、前者はすでに発表されている。そのサイトを見ると、新語というより検索のあった単語を選んでいるようだが、今年は "admonish" だった。
http://www.merriam-webster.com/info/09words.htm
"You lie!" という言葉を吐いてオバマ大統領を批判した共和党の Joe Wilson という下院議員に対し、議会が譴責決議を可決したことに関連して注目を集めた言葉だそうだが、日本にいる私には背景事情を詳しく知らないこともあり、ピンと来ない、ちょっと「ハズレ」、という気持ちにさせられる今回の選定であった。
タグ:アメリカ政治
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