moniker 「あだ名、別名」 [単語・表現]
久しぶりにエンタテインメント系の洋書を読んだ。作者 Barry Eisler は日本に滞在した経験があるというが、主人公は日本人とアメリカ人のハーフ、舞台は東京という設定に興味を持ち購入した。英語もそれほど難しくなく、あまり日数をかけずに読了した。
この "Rain Fall"、大傑作とまではいえないだろうが、最後まで面白く読め、ペーパーバックに挑戦したい人にはうってつけなのではないかと思う。「外国人の誤解に基づく奇妙な日本」といった要素もほとんど感じられないのがうれしい。
この本で目についた単語や表現をいくつか少し書いてみよう。今回は moniker である。これまで何度か出会ったことがある単語だが、なかなか自分からは出てこないし、語の響きも何となく面白いので取り上げてみたい。
"Rain Fall" では次のように使われていた。
主人公の所属していた特殊機関につけられていたのは、目立たない、あたりさわりのない名前であった、ということであろう。
ためしに自分の過去の記事を検索してみたら、去年 "Kilroy was here." や chad について取り上げた際にこの単語に触れていることに気づいた。さらに3年前、日米間の摩擦をユーモラスに描いた映画「ガン・ホー」 と gung ho という言葉について書いた時にも、引用した文にこの単語が出ていた。
語の響きが面白い、と書いたが、由来は何なのか。私が持っている電子辞書の英英辞典は mid 19th cent.: of unknown origin としているが、上記「ランダムハウス」やその他の辞典には、おそらくアイルランドなどの放浪民が使う「シェルタ語」から来ているのではないかという記述がある。
Online Etymology Dictionary はさらに異なる説を載せていた。
Wikipedia を見たら、由来も含めて思いのほか詳しい記述があった。こちらは「シェルタ」説を有力としている。
「名前」に関する過去の参考記事:
オバマと小浜と namesake
eponym (人名に由来する単語)
「ジャパン」と「ニッポン」(exonym)
単語も経年変化する (retronym)
過去の参考記事:
Kilroy was here.「キルロイ参上」と Mr.Chad
「ガン・ホー」 gung ho
この "Rain Fall"、大傑作とまではいえないだろうが、最後まで面白く読め、ペーパーバックに挑戦したい人にはうってつけなのではないかと思う。「外国人の誤解に基づく奇妙な日本」といった要素もほとんど感じられないのがうれしい。
この本で目についた単語や表現をいくつか少し書いてみよう。今回は moniker である。これまで何度か出会ったことがある単語だが、なかなか自分からは出てこないし、語の響きも何となく面白いので取り上げてみたい。
<米俗>人名、(特に)あだ名(nickname)、別名(alias)、(またmonniker, monekeer) [1851]
(ランダムハウス英和大辞典)
"Rain Fall" では次のように使われていた。
Jimmy and I did Special Forces training together at Fort Bragg, then wound up in the same unit, in a joint military-CIA program called the Studies and Observation Group, or SOG. The Studies and Observation moniker was a joke, some idiot bureaucrat's attempt to give the organization a low profile.
主人公の所属していた特殊機関につけられていたのは、目立たない、あたりさわりのない名前であった、ということであろう。
ためしに自分の過去の記事を検索してみたら、去年 "Kilroy was here." や chad について取り上げた際にこの単語に触れていることに気づいた。さらに3年前、日米間の摩擦をユーモラスに描いた映画「ガン・ホー」 と gung ho という言葉について書いた時にも、引用した文にこの単語が出ていた。
語の響きが面白い、と書いたが、由来は何なのか。私が持っている電子辞書の英英辞典は mid 19th cent.: of unknown origin としているが、上記「ランダムハウス」やその他の辞典には、おそらくアイルランドなどの放浪民が使う「シェルタ語」から来ているのではないかという記述がある。
slang a person's name or nickname
[C19: from Shelta munnik, altered from Irish ainm name]
(Collins English Dictionary)
Online Etymology Dictionary はさらに異なる説を載せていた。
1849, said to be originally a hobo term (but attested in London underclass from 1851), of uncertain origin; perhaps from monk (monks and nuns take new names with their vows, and early 19c. British tramps referred to themselves as "in the monkery").
Wikipedia を見たら、由来も含めて思いのほか詳しい記述があった。こちらは「シェルタ」説を有力としている。
A moniker (or monicker) is another term for a nickname, pseudonym, or cognomen. Typically, the title is used as a personal or professional name, instead of the person's given name, for works of art, music, books, or performances. Monikers are commonly used in small subcultures, the Internet, and in broadcasting, usually on radio stations.
Although there are various theories about the origin of the word, the most widely accepted is that it comes from Shelta, the cant language of Irish travellers. The word is believed to have derived from the Irish word ainm, and became munik in Shelta. It had spread to London as an English slang word for "name" by 1851. (後略) ( http://en.wikipedia.org/wiki/Moniker )
「名前」に関する過去の参考記事:
オバマと小浜と namesake
eponym (人名に由来する単語)
「ジャパン」と「ニッポン」(exonym)
単語も経年変化する (retronym)
過去の参考記事:
Kilroy was here.「キルロイ参上」と Mr.Chad
「ガン・ホー」 gung ho
2010-10-12 08:00
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