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occupational hazard 「職業病」「仕事の虫」 (刑事コロンボ「闘牛士の栄光」) [刑事コロンボ]

このところ週末にはアメリカのTVドラマ「刑事コロンボ」 Columbo をDVDで観ているが、そのエピソードのひとつにあった occupational hazard という表現がちょっとおもしろいと思ったので取り上げたい。

「闘牛士の栄光」 A Matter of Honor という作品に出てきたものだ。先日取り上げた別のストーリー(→raffle 「チャリティくじ」(刑事コロンボ「歌声の消えた海」))で、コロンボは懸賞で当てたメキシコ行きクルーズの客船に乗っていて殺人事件に遭遇するが、そのメキシコを舞台にした内容となっている。

異国の地で、コロンボはひょんなきっかけからある死亡事故の現場を訪れることになる。旅行中だし、外国なのでそもそも捜査権がないのだが、つい現場にいる人たちにいろいろと質問してしまう。

コロンボ自身もそんな自分にあきれている、と話す場面である。

- コロンボ: Something is wrong with me. Supposed to be on vacation and right away, I'm thinking like a cop. That's called occupational hazard.
男: Occupational hazard? What is that?
コロンボ: That's when wherever you go, you take your work with you.

occupational hazard は「(職種に固有の)職業上の危険:例えば鉱山労働者の珪肺症など」 (ランダムハウス英和大辞典)、a risk accepted as a consequence of a particular occupation などと辞書に書かれている。

しかし説明するコロンボのセリフにもあるように、ここでは実際の病気ではなく、比喩的な意味での「職業病」、つまり、オフの時でもつい出てしまう仕事がらみのクセを指しているらしいことがわかる。つまり日本語と同じような意味あいや使われ方があるようなのだ。

手持ちの国語辞典をみたら、おもしろいことに「職業病」にこうした使い方を載せているものはない。同じように英語の辞書にも occupational hazard にこの意味を記載しているものはなかなか見つからなかったが、唯一、

- Sadly, an occupational hazard of academics is self absorption and narcissism.

という実例を載せているオンライン辞書があったので、文字通りの意味ではない形で使われるというのは、「コロンボ」だけの例外ではないと思ってもよさそうだ。なお「闘牛士の栄光」では、「仕事の虫」というセリフに訳されていた。

ちなみに和英辞典で「職業病」を引くと文字通り occupational disease とあるが、これを辞書で引き直すと、

1. Also called industrial disease. a disease caused by the conditions or hazards of a particular occupation.
2. a trait or tendency that develops among members of a particular profession:
Cynicism was thought to be an occupational disease of reporters.
(Random House Unabridged Dictionary)

と、比喩的な定義を載せているものがあった。

「闘牛士の栄光」は、海外ロケによって異国情緒が楽しめるものの、個人的にはミステリとしても人間ドラマとしてもいま一歩に感じられ、「コロンボ」の中ではあまり出来の良くないエピソードなのが残念だ。シリーズの中では後期にあたり、前回も書いたように、そろそろ息切れが表面化してきた時期の作品である。

ただ、犯人役のリカルド・モンタルバンは、私の好きな「スター・トレック」シリーズのTV版と映画版に出演したので私も知っており、このエピソードでより素顔に近い(?)姿を見ることができた。

また、コロンボを手助けするメキシコの警察官を演じるペドロ・アルメンダリス・Jr は、以前取り上げたことがある007の映画「ロシアより愛をこめて」で、ジェームズ・ボンドを助けるトルコの諜報員を演じた俳優の息子である(→Try this for size. 「試してみる」)。

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Lingo Field

You hit the nail on the head, again. Yep. People like me are a every bit as a pathological offender as you've just described them to be. Cynical, pedantic, snobbish, ego-trip loving, and sometimes blase and nonchalant to boot.
英語教室 Lingo-Field
by Lingo Field (2015-01-28 10:30) 

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