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ルロイ・アンダーソンの「そりすべり」 [ジャズ・クラシック]

街を歩いていたら、この時期の定番の曲「そりすべり」 Sleigh Ride が聞こえてきた。今年もいよいよクリスマスなのだな、と思う。作曲した Leroy Anderson の名は誰もが知っているとはいえないだろうが、誰でも知っているであろう、親しみやすい数々の作品を生み出した。

アメリカ人の作曲家といえば、少し前に取り上げた "Let's Call the Whole Thing Off" を書いたジョージ・ガーシュウィン George Gershwin が代表的な存在かもしれない。しかし普通の日本人にもよく知られている曲を書いたという点では、もしかしたらルロイ・アンダーソンの方が上かもしれない。

「そりすべり」の他にも、「ああ、聞いたことがある」と思うメロディが多いはずだ。「トランペット吹きの休日」 Bugler's Holiday は、私が子どもの頃も、そして今も変わらず、幼稚園や小学校の運動会でよく耳にする。bugler という単語を私が覚えたのもこの曲の原題によってだった。

そのほか、「ブルー・タンゴ」 Blue Tango、「シンコペーテッド・クロック」 Syncopated Clock、「舞踏会の美女」 Belle of the Ball、「ワルツィング・キャット」 The Waltzing Cat などなど、どこかで耳にしていることだろう。

アンダーソンの音楽を聞いて私が感じるのは、古き良きアメリカ、というイメージである。もちろん、彼の主要な作品が作られた1950年代にかけて、私はまだ生まれてもいなかったので、あくまでも想像の世界にしかすぎないのだが。映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 Back to the Future で描かれたような雰囲気、といえばいいのだろうか。

また、私が高校生から大学生にかけてよく読んでいた雑誌に、「リーダーズ・ダイジェスト」とその原語版の Reader's Digest があったが、毎号の表紙は、そうしたイメージにぴったりの、アメリカの風景や日常生活を昔懐かしい雰囲気で描いた絵で飾られていることが多かった。

その後、クリスマスの時期をアメリカ北方の田舎町で過ごす機会があった。あたり一面雪に覆われた、文字通りのホワイト・クリスマスは、毎年冬の時期に「リーダーズ・ダイジェスト」が表紙で描いていた世界を体験しているような気分になった。ちなみにこの雑誌、日本版はすでに廃刊となって久しく、今も店頭で手に入る英語版の表紙には、もはやかつての趣はない。

自分の思い出話はともかく、今年はアンダーソンの生誕100年ということで、ナクソス Naxos というクラシックのレーベルが彼の作品全集を次々とリリースしている。レナード・スラットキン Leonard Slatkin という名の知れたアメリカ人指揮者によるものなので期待したが、2枚ほど聞いた限りでは、少なくとも私にとってはそれほど楽しめる演奏ではなかった。

演奏をしているのがイギリスのオーケストラだからだろうか、しかし本場の演奏者ではないから、という理由だけでもなかろう。やはり、指揮者がやや杓子定規に陥っている点があるのではないかと思った。

というわけで、今も愉しく聞けるのは、アンダーソン自身が指揮をした録音、そして彼の作品をよく取り上げてきたアーサー・フィードラー Arthur Fiedler 指揮のボストン・ポップス管弦楽団による演奏だ。どちらもステレオ初期の録音だが、それほど不満は感じないし、どちらもいい意味での「軽さ」が効果をあげていると思う。

「そりすべり」については、ちょっと英語について書きたいことがあるが、長くなってきたので、次回に続けることにしたい。


Sleigh Ride: The Best of Leroy Anderson

Sleigh Ride: The Best of Leroy Anderson

  • アーティスト: Leroy Anderson,Leroy Anderson
  • 出版社/メーカー: MCA
  • 発売日: 1997/11/18
  • メディア: CD

タグ:クリスマス
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