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役に立つ chaff 役に立たない chaff [ニュースと英語]

前回、window には「敵のレーダー探知を妨害する金属箔」も意味し、同義語として chaff がある、と書いた。空中に撒いて敵のレーダー波をかく乱し探知されないようにするもので、第2次大戦の昔から使われていたとのこと。

chaff はもともと「もみ殻」「切りわら」という意味だが、上記の意味として英英辞典には、

strips of metal foil or metal filings released in the atmosphere from aircraft, or deployed as missiles, to obstruct radar detection or confuse radar-tracking missiles
(The New Oxford American Dictionary)

といった説明がある。実例としては、

- The target may release one chaff or flare after each movement of the missile tracking it

- Both flares and chaff have an effective duration of three seconds from launch.

この例に出てくる flare 「フレア」も防御のための装置で、赤外線誘導ミサイルの攻撃を受けたときにこれを放出して、ミサイルが航空機から逸れて高熱を発するフレアの方に飛んでいくようにする。「軍事おたく」ではない私だが、ニュース記事で戦争や安全保障について読んでいると、こうした語彙は自然に増えてくるものだ。

chaff が比喩的に使われた例もある。次は数年前、イランが核開発問題で柔軟な姿勢を示した際のアメリカ政府当局者のコメントである。

He described the talks as "chaff being thrown up by the Iranians" ahead of the IAEA meeting.

ここでは、「かく乱を狙ったもの」「目くらまし」といったようなニュアンスだろうか。

軍用の chaff は防御に役立たせるためのものだが、この単語はもうひとつ、「がらくた」「くず」「かす」「無用の物(人)」 worthless things; trash; rubbish と、役に立たないものについても使われる。

この意味では separate the wheat from the chaff というイディオムがあり、

- distinguish valuable people or things from worthless ones
(NOAD)

- to choose the good and useful things or people and get rid of the others
(Longman Advanced American Dictionary)

などと説明されている。「良いものとそうでないものを選り分ける」「ふるいにかける」といった感じだろうか。次のような例がある。

- A preliminary look through the applications will help you to separate the wheat from the chaff.

- Of course, the wheat has to be separated from the chaff, but sometimes there is valuable information even in the chaff.

なお chaff には、「(人)を冷やかす」(tease, banter) 「気さくな冗談」「馬鹿話」(light-hearted joking) という意味もある。同じ綴りだが「もみ殻、わら」の方とは異なる語源の可能性もあると辞書に書かれている。

chaff については、もう少し書きたいことがあるのだが、長くなるので次回に続けることにする。

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