アメリカの大統領が引用した芭蕉の俳句 [ニュースと英語]
次期駐日大使のケネディ氏が「日本の格言」を演説で披露したことを前回書いた。それで連想したのは、私が学生の時に来日したレーガン大統領が俳句を引用したことである。国会で行った演説の中で、「私は、“草いろいろ おのおの花の 手柄かな”という芭蕉の句が好きだ」と述べた。
ネットで調べると、その部分は次のようになっていた。
- America and Japan speak with different tongues, but both converse, worship, and work with the language of freedom. We defend the right to voice our views, to speak words of dissent without being afraid, and to seek inner peace through communion with our God.
(中略)
We trust in freedom to nurture the diversity and creativity that enriches us all. I like what your poet Basho said: "Many kinds of plants and each one triumphant in its special blossoms.''
("Address Before the Japanese Diet in Tokyo" November 11, 1983)
http://www.reagan.utexas.edu/archives/speeches/1983/111183a.htm
このエピソードは当時けっこう話題になった。またその後、芭蕉が生まれた伊賀にこの句の英訳とレーガン氏の名前を刻んだ碑まで作られたことが三重県文化振興課のサイトなどで紹介されている。
ネットには、「レーガンが日本人の多くも知らないこの俳句を理解していることに驚いた」とまで書いている記事もあった。
しかし天邪鬼な私は、当時も、そして今も、そんなに素直には受け取っていない。当然、スタッフが知恵をつけ、スピーチライターが演説を書いたに決まっている(と思うが、違っていたら天国のレーガンさんごめんなさい)。
そんな私でも、アメリカの政治家のある意味「臆面もない」こうした姿勢には感心する。
どう考えてもアメリカでは(そして本人にとっても)ほとんど知られていないはずの日本の言葉を引用するのは、アメリカ人的サービス精神からすればごく自然なことなのか、そうすることが自分と日米関係にプラスになるとの計算も働いているのか。いずれにせよ、ならばお前にできるのか、と問われたら、気後れして到底できそうにない。
いずれにせよ、「論功行賞」などといわれているケネディ氏の大使指名だが、新婚旅行に日本を選んだという氏でもあり、単なるリップサービスにとどまらず、日米間の課題に正面から取り組んで手腕を発揮してもらいたいものだ。
ネットで調べると、その部分は次のようになっていた。
- America and Japan speak with different tongues, but both converse, worship, and work with the language of freedom. We defend the right to voice our views, to speak words of dissent without being afraid, and to seek inner peace through communion with our God.
(中略)
We trust in freedom to nurture the diversity and creativity that enriches us all. I like what your poet Basho said: "Many kinds of plants and each one triumphant in its special blossoms.''
("Address Before the Japanese Diet in Tokyo" November 11, 1983)
http://www.reagan.utexas.edu/archives/speeches/1983/111183a.htm
このエピソードは当時けっこう話題になった。またその後、芭蕉が生まれた伊賀にこの句の英訳とレーガン氏の名前を刻んだ碑まで作られたことが三重県文化振興課のサイトなどで紹介されている。
ネットには、「レーガンが日本人の多くも知らないこの俳句を理解していることに驚いた」とまで書いている記事もあった。
しかし天邪鬼な私は、当時も、そして今も、そんなに素直には受け取っていない。当然、スタッフが知恵をつけ、スピーチライターが演説を書いたに決まっている(と思うが、違っていたら天国のレーガンさんごめんなさい)。
そんな私でも、アメリカの政治家のある意味「臆面もない」こうした姿勢には感心する。
どう考えてもアメリカでは(そして本人にとっても)ほとんど知られていないはずの日本の言葉を引用するのは、アメリカ人的サービス精神からすればごく自然なことなのか、そうすることが自分と日米関係にプラスになるとの計算も働いているのか。いずれにせよ、ならばお前にできるのか、と問われたら、気後れして到底できそうにない。
いずれにせよ、「論功行賞」などといわれているケネディ氏の大使指名だが、新婚旅行に日本を選んだという氏でもあり、単なるリップサービスにとどまらず、日米間の課題に正面から取り組んで手腕を発揮してもらいたいものだ。
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このレーガン大統領の演説は、知りませんでした。この演説から5年後の1988年、レーガン大統領は、第二次大戦中の日系人強制収容に対する謝罪と補償を定めた法案に署名しました。親日家と言われた大統領です。芭蕉の句を引いたのも、ご本人の希望だったのではなかったでしょうか。アメリカに移り住んで、縁があって俳句の勉強をしているものとして、とても嬉しい演説です。勉強になりました。ありがとうございます。
by 嶋幸佑 (2014-05-14 02:42)
嶋幸佑さん、コメントありがとうございました。私は詳しくはないのに俳句とhaikuは別物だと生意気にも考えていて、そんなエントリも書いたことがあるのですが(http://eigo-kobako.blog.so-net.ne.jp/2013-11-07)、アメリカで俳句の勉強をされている嶋さんからみれば噴飯物の考えかもしれませんね。異文化の中で俳句を研究されている成果についてぜひ教えてくださいませ。
by tempus fugit (2014-05-19 22:39)