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「スカート」ではない skirt [注意したい単語・意外な意味]

先日 rah-rah skirt という言葉を取り上げたが、最近読んだ犯罪ノンフィクション People Who Eat Darkness (邦題「黒い迷宮: ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実」)に、ちょっと気をつけたい動詞の skirt の例があったので、メモしておこう。

この本は十数年前に日本で起きたイギリス人女性の失踪事件を追ったものだ。この事件では、関わりがあると見られる容疑者が逮捕されたあと、さらに数か月経ってようやく遺棄されていた女性の遺体が発見された。行方不明になって8か月後のことで、しかも見つかったのは警察が一度捜索した地域だった。以下は警察が行った記者発表を描いたくだりである。

- Japanese reporters are rarely probing or aggressive with the representatives of the institutions to which they are assigned. But even they could not skirt the outstanding question: why had it taken so long?
(People Who Eat Darkness by Richard Lloyd Parry)

日本のリポーターは、取材で担当している組織の代表者に対して厳しい質問を浴びせることは稀だが、今回は、警察側が説明しなかった「なぜ発見にこんなに時間がかかったのか」という肝心かなめの疑問について問いたださないわけにはいかなかった、ということであろう、

- (危険・困難・論争になるため)(問題・話題を)避ける、回避する;(危険・死などを)辛うじて逃れる
(研究社新英和大辞典)

- to avoid talking about a subject, especially because it is difficult or embarrassing:
He carefully skirted the issue of where they would live.
~ around/round sth
She tactfully skirted around the subject of money.
(OALD)

- Attempt to ignore; avoid dealing with:
there was a subject she was always skirting
[NO OBJECT]: the treaty skirted around the question of political cooperation
(Oxford Dictionaries)

skirt はどうしても「スカート」を中心に考えてしまいがちだと思うが、「すそ」「覆い」「ふち」「周辺、郊外(outskirts)」、また動詞として「~にすそをつける」「~の周辺にある」「縁取る」「囲む」「周辺を通る、へりに沿って進む」という意味がある。そこで「回避する」「避けて通る」ことも指すようになったのだろう。


People Who Eat Darkness: Murder, Grief and a Journey into Japan's Shadows

People Who Eat Darkness: Murder, Grief and a Journey into Japan's Shadows

  • 作者: Richard Lloyd Parry
  • 出版社/メーカー: Vintage Books
  • 発売日: 2012/03/05
  • メディア: ペーパーバック


黒い迷宮: ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

黒い迷宮: ルーシー・ブラックマン事件15年目の真実

  • 作者: リチャード ロイド パリー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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