新元号「令和」の「令」の英訳は? [日本のニュース]
新しい元号が発表された当日、英語圏のメディアが「令和」をどのように説明しているか、インターネットでいろいろ読んでみた。発表の会見で意味の説明があったが、そうした情報がないと日本人でも分かりずらい言葉ではないかと思ったこともある。
説明がなければ、「命令」の「令」のことか?と考える人もいるだろうし、事実そうした見方がネットでも出ていた。
私は会見の様子を職場のテレビで見ていたので「命令」の意味ではないことがわかったが、ネットで英語の記事を見ると、"order" や "command" を使っているメディアがいくつかあった。これを読んで、「記事を書いた人は、会見の説明をちゃんと聞いていなかったのだろうか」と考えてしまった。
また不思議だったのは、その後、「海外のメディアは order(秩序)と訳している」と書いている日本のメディアがあったことだ。
確かに order には「秩序」の意味もあるし、そのように伝えたかった海外メディアもあるかもしれない(全部の英文記事を読むことなどできないので、はっきりとしたことはわからない)。
しかし私が読んだ範囲では、そうした英文記事の多くはやはり「命令」の意味で使っていると考えざるを得なかっった。「この文字について批判的な声も出ている」(つまり「命令」と捉えている)といった日本人の反応とあわせて伝えているものが目についたからだ。
そしてその流れにあるというべきか、今回初めて日本の書が典拠となったことを、「右派である安倍総理」と結びつけて伝えていた海外の記事も目立ったように感じた。
そう取り上げるのがマスコミの習性だ、といえるのかもしれないが、私としては「それはちょっと」と思ってしまった。ただ日本人の間でも見方が分かれるかもしれないので、これ以上深入りはしないことにする。
英語に話を戻すと、「令」の訳語としては "good" や "beautiful" というやさしい単語をあてているものがあったが、うまいと思ったのは、"auspicious" を使った記事がいくつかあったことだ。
「めでたい」「幸先のよい」といった意味だが、知らなかった人は、この単語を覚えるいい機会になるのではないだろうか。
また首相官邸のホームページには、発表から何日から遅れて新元号についての英文が出たが、そこでも典拠となった「万葉集」の一節の説明(翻訳)に auspicious が使われていた。
- The new era name is “Reiwa.”
This was taken from wording appearing in the Manyoshu: “In this auspicious month of early spring, the weather is fine and the wind gentle. The plum blossoms open like powder before a mirror while the orchids give off the sweet scent of a sachet.” Moreover, this name “Reiwa” includes the meaning of culture coming into being and flourishing when people bring their hearts and minds together in a beautiful manner.
https://japan.kantei.go.jp/98_abe/statement/201904/_00001.html
もしかしたら官邸も、当日の英文メディアの訳を参考にしたのだろうか。
そう思っていたら、外務省は「令和」を英語で説明する際に "beautiful harmony" で統一する、と報じられた。あれ、auspicious は使わなかったのか。「和」を表す英語と組み合わせるには適さないのか、あるいは、やはりこちらはより難易度が高い単語、ということなのかもしれない。
そうした記事によると、一部海外メディアが "order" (命令)というように報じたことから、外務省としては「正しい解釈が各国に共有されるようにしたい」と考えたということだ。
「令和」はきれいな響きを持つ言葉だと思うが、「令」は、日本人にも外国人にも、理解するのにちょっと難易度の高い言葉となったといえそうだ。
にほんブログ村←参加中です
説明がなければ、「命令」の「令」のことか?と考える人もいるだろうし、事実そうした見方がネットでも出ていた。
私は会見の様子を職場のテレビで見ていたので「命令」の意味ではないことがわかったが、ネットで英語の記事を見ると、"order" や "command" を使っているメディアがいくつかあった。これを読んで、「記事を書いた人は、会見の説明をちゃんと聞いていなかったのだろうか」と考えてしまった。
また不思議だったのは、その後、「海外のメディアは order(秩序)と訳している」と書いている日本のメディアがあったことだ。
確かに order には「秩序」の意味もあるし、そのように伝えたかった海外メディアもあるかもしれない(全部の英文記事を読むことなどできないので、はっきりとしたことはわからない)。
しかし私が読んだ範囲では、そうした英文記事の多くはやはり「命令」の意味で使っていると考えざるを得なかっった。「この文字について批判的な声も出ている」(つまり「命令」と捉えている)といった日本人の反応とあわせて伝えているものが目についたからだ。
そしてその流れにあるというべきか、今回初めて日本の書が典拠となったことを、「右派である安倍総理」と結びつけて伝えていた海外の記事も目立ったように感じた。
そう取り上げるのがマスコミの習性だ、といえるのかもしれないが、私としては「それはちょっと」と思ってしまった。ただ日本人の間でも見方が分かれるかもしれないので、これ以上深入りはしないことにする。
英語に話を戻すと、「令」の訳語としては "good" や "beautiful" というやさしい単語をあてているものがあったが、うまいと思ったのは、"auspicious" を使った記事がいくつかあったことだ。
「めでたい」「幸先のよい」といった意味だが、知らなかった人は、この単語を覚えるいい機会になるのではないだろうか。
また首相官邸のホームページには、発表から何日から遅れて新元号についての英文が出たが、そこでも典拠となった「万葉集」の一節の説明(翻訳)に auspicious が使われていた。
- The new era name is “Reiwa.”
This was taken from wording appearing in the Manyoshu: “In this auspicious month of early spring, the weather is fine and the wind gentle. The plum blossoms open like powder before a mirror while the orchids give off the sweet scent of a sachet.” Moreover, this name “Reiwa” includes the meaning of culture coming into being and flourishing when people bring their hearts and minds together in a beautiful manner.
https://japan.kantei.go.jp/98_abe/statement/201904/_00001.html
もしかしたら官邸も、当日の英文メディアの訳を参考にしたのだろうか。
そう思っていたら、外務省は「令和」を英語で説明する際に "beautiful harmony" で統一する、と報じられた。あれ、auspicious は使わなかったのか。「和」を表す英語と組み合わせるには適さないのか、あるいは、やはりこちらはより難易度が高い単語、ということなのかもしれない。
そうした記事によると、一部海外メディアが "order" (命令)というように報じたことから、外務省としては「正しい解釈が各国に共有されるようにしたい」と考えたということだ。
「令和」はきれいな響きを持つ言葉だと思うが、「令」は、日本人にも外国人にも、理解するのにちょっと難易度の高い言葉となったといえそうだ。
にほんブログ村←参加中です
にほんブログ村← 参加中です
コメント 0