make belief 「~に見立てる」「~のつもりで」 [刑事コロンボ]
週末に観たTVドラマで、「make believe という表現はこんな風にも使えるのか」と感心したシーンがあったので、ちょっと書いてみたい。
make believe は「~のふりをする」「見せかける」また「~ごっこをする」という意味だが、手持ちの辞書の例文を見ると、
- She made believe not to hear me.
聞こえないふりをした
- The little girl dressed in a sheet and made believe she was a ghost.
シーツを身にまとって幽霊のまねをした
- a make-believe sleep
たぬき寝入り
(ランダムハウス英和大辞典)
- Let's make believe we are pirates.
海賊ごっこをしよう
- When children play make-believe, they're exercising their imaginations.
子どもたちがごっこ遊びをするとき、彼らは想像力を働かせる
(ジーニアス英和大辞典)
このへんまでは私も何となくわかるのだが、往年の名作TVドラマ「刑事コロンボ」 Columbo のエピソード「断たれた音」 The Most Dangerous Match をブルーレイディスクで観ていたら、次のような場面があった。
犯人はチェスの世界的プレーヤーで、超人的な記憶力を持っている。処方された薬をリストアップした紙をほんのちょっと目にしただけでその内容を覚えて犯行に及ぶのだが、その可能性に気づいたコロンボ警部が、薬のリストを犯人に手渡して見せた女性から事情を聞く。
女性が「彼は確かに薬を書いたリストの紙を見たが、ほんの短い間にすぎなかった」というと、警部はその場にあった紙ナプキンを女性に手渡して、犯人がどのようにリストを見たか説明してほしいと頼む。
- 女性: Yes, he did see the list, but he only glanced at it for a second or two.
コロンボ:How did he see it? Show me how he saw it. Make believe this is the list.
つまり、「この紙ナプキンが薬のリストのつもりで、彼がどんな風にリストを見たのか説明してほしい」「紙ナプキンをリストに見立てて、その時の様子を再現してほしい」と頼んでいるわけである。
make believe がこのように使えることをすでに知っている人からすれば「なあんだ」ということになるだろうが、私にとっては「なるほど」という発見だった。やはり外国語の学習は実例に触れてナンボとあらためて思ったしだいである。このエピソードはこれまで何度か観ているのに、今ごろこれに気づいたので情けない気持ちにもなったが。
「断たれた音」は、犯人をトリックで落とす最後のシーンが決め手としては弱いという評もあるが、犯人を演じたローレンス・ハーヴェイ Laurence Harvey という実力派俳優の好演もあって、このシリーズの中でも私の好きな作品のひとつだ。ハーヴェイは末期のガンをおしての撮影で、これが彼の遺作になったという。
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make believe は「~のふりをする」「見せかける」また「~ごっこをする」という意味だが、手持ちの辞書の例文を見ると、
- She made believe not to hear me.
聞こえないふりをした
- The little girl dressed in a sheet and made believe she was a ghost.
シーツを身にまとって幽霊のまねをした
- a make-believe sleep
たぬき寝入り
(ランダムハウス英和大辞典)
- Let's make believe we are pirates.
海賊ごっこをしよう
- When children play make-believe, they're exercising their imaginations.
子どもたちがごっこ遊びをするとき、彼らは想像力を働かせる
(ジーニアス英和大辞典)
このへんまでは私も何となくわかるのだが、往年の名作TVドラマ「刑事コロンボ」 Columbo のエピソード「断たれた音」 The Most Dangerous Match をブルーレイディスクで観ていたら、次のような場面があった。
犯人はチェスの世界的プレーヤーで、超人的な記憶力を持っている。処方された薬をリストアップした紙をほんのちょっと目にしただけでその内容を覚えて犯行に及ぶのだが、その可能性に気づいたコロンボ警部が、薬のリストを犯人に手渡して見せた女性から事情を聞く。
女性が「彼は確かに薬を書いたリストの紙を見たが、ほんの短い間にすぎなかった」というと、警部はその場にあった紙ナプキンを女性に手渡して、犯人がどのようにリストを見たか説明してほしいと頼む。
- 女性: Yes, he did see the list, but he only glanced at it for a second or two.
コロンボ:How did he see it? Show me how he saw it. Make believe this is the list.
つまり、「この紙ナプキンが薬のリストのつもりで、彼がどんな風にリストを見たのか説明してほしい」「紙ナプキンをリストに見立てて、その時の様子を再現してほしい」と頼んでいるわけである。
make believe がこのように使えることをすでに知っている人からすれば「なあんだ」ということになるだろうが、私にとっては「なるほど」という発見だった。やはり外国語の学習は実例に触れてナンボとあらためて思ったしだいである。このエピソードはこれまで何度か観ているのに、今ごろこれに気づいたので情けない気持ちにもなったが。
「断たれた音」は、犯人をトリックで落とす最後のシーンが決め手としては弱いという評もあるが、犯人を演じたローレンス・ハーヴェイ Laurence Harvey という実力派俳優の好演もあって、このシリーズの中でも私の好きな作品のひとつだ。ハーヴェイは末期のガンをおしての撮影で、これが彼の遺作になったという。
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