追悼 アーサー・C・クラーク [読書と英語]
少し前に取り上げた「幼年期の終わり」の作者アーサー・C・クラーク Arthur C. Clarke が亡くなった。私にとって、子供の頃からその作品を読んできて、いくつかは原書を手に取り、英語に親しむ上でも助けになったSF作家である。
「ドリアン・グレイの肖像」の名言 [読書と英語]
The Picture of Dorian Gray (Penguin Classics)
- 作者: Oscar Wilde
- 出版社/メーカー: Penguin USA (P)
- 発売日: 2003/02/04
- メディア: ペーパーバック
前回、where と end と start (begin) を使えば「どこまでが○○で、どこからが××か」という日本語を表すことができそうだと書いた。この単語の組み合わせで、もうひとつ頭に浮かんだ言い回しがある。例として、オスカー・ワイルドの小説「ドリアン・グレイの肖像」 The Picture of Dorian Gray の第1章に次のようなくだりがある。
「幼年期の終わり」の新訳 [読書と英語]
Gravity (Tess Gerritsen) [読書と英語]
宇宙と地上を舞台に、いわゆる「バイオハザード」を扱ったサスペンスである。アマゾンの読者評を見ると、「アポロ13」や「エイリアン」、また「アウトブレイク」や「ER」の要素をあわせたようなもの、とあり、何となく内容を想像していただけるだろうか。私はマイケル・クライトンの初期の作品「アンドロメダ病原体」も連想した。以下、多少のネタばれがある。
英訳版「沈黙」(遠藤周作) [読書と英語]
本は放っておくと増える一方なので、折に触れて処分するようにしているが、ページがすっかり黄ばんだ遠藤周作の「沈黙」は、ずっと本棚にある。高校生の時に初めて読み、凄い小説だと思った。この作品をマーティン・スコセッシ監督が映画化する予定だと聞いたので再び興味を持ち、今回は英訳のペーパーバック "Silence" を手に取ってみた。
タグ:聖書
「海」ではない sea、およびその由来について [読書と英語]
少し前に、「大きな数」を表すいくつかの単語について書いた。一方でこのところ、季節にあわせて「海」から連想したことについても綴ってきたが、考えてみると、sea という単語も、大きな数や量を表す際に使われるのだった。
タグ:シェイクスピア
「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった [読書と英語]
「エコノミック・アニマル」は褒め言葉だった―誤解と誤訳の近現代史 (新潮新書)
- 作者: 多賀 敏行
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/09
- メディア: 新書
「誤解と誤訳の近現代史」というサブタイトルが示すように、言葉にまつわる「歴史秘話」的な本である。
Hiroshima (John Hersey) [読書と英語]
以前読んだものだが、「ヒロシマ・ナガサキ」に関連して、やはりぜひあげておきたい作品だ。戦後まもなく広島に入ったジャーナリストが外国人を含む被爆者を取材したもので、原爆投下の1年後、「ニューヨーカー」誌に発表された。その号に掲載されたのはこの作品ただ一編のみで、広島の惨禍を広く世界に知らしめることになったという。
タグ:ヒロシマ
The Professor and the Madman (Simon Winchester) [読書と英語]
「事実は小説より奇なり」を地で行くノンフィクションである。最大の英語の辞書「オックスフォード英語辞典」 The Oxford English Dictionary (OED)は、実に70年もの歳月をかけて完成されたが、その編纂を陰で支えた、ひとりの謎の人物に焦点をあてたものだ。
タグ:辞書
続・The Evening News から落穂拾い [読書と英語]
アーサー・ヘイリー Arthur Hailey の "The Evening News" から、ちょっと面白いと思った表現をさらにいくつか書き留めておこう。今回は、いずれもテレビに関係ある言い回しである。
ハルバースタム氏の死を悼む [読書と英語]
ジャーナリストで作家の David Halberstam が亡くなった。もうそんな高齢だったか、と思ったら、実は交通事故が原因で、まだ73歳だったと知り、残念な気持ちになった。講演を終えたあと、インタビュー取材に向かう途中だったということで、最後の最後まで仕事に取り組んでいたわけである。
The Evening News (Arthur Hailey) [読書と英語]
カズオ・イシグロの英文を味わう (「日の名残り」「浮世の画家」) [読書と英語]
「英語を読む時は、口や頭の中で音声化してはならない」―その昔聞いた速読の方法論である。その後、英語が情報を知る手段になると、読む速度も上がり、音声化も徐々に減ったように感じた。
さらに、速読にこだわらず楽しみで英語を読むようになると、逆に英文の方から美しい音を発していると錯覚することも起きるようになった。そんな体験を最初にしたのが、Kazuo Ishiguro の "The Remains of the Day" (1989年)である。
タグ:カズオ・イシグロ
「英語教師 夏目漱石」 [読書と英語]
夏目漱石といえば、英文学を専門とし英語を教えもしていたが、留学先のロンドンでは苦しい体験をしたことが知られている。そのためか、その英語力は読解が中心で会話が不得手という書斎派のそれであり、いってみれば典型的な日本人、という印象を持っている人が多いのではないだろうか。はたして本当にそうだったのか。
タグ:英語学習
ボブ・ウッドワードの新著 State of Denial [読書と英語]
イラク問題でブッシュ大統領が躓いていることについて書いたが、これまで何回か取り上げた "The Secret Man" の著者 Bob Woodward が新著 "State of Denial" を出した。イラク問題で苦境に陥ったブッシュ政権を描いているとあって、中間選挙を前に話題になっている。
State of Denial: Bush at War, Part III
- 作者: Bob Woodward
- 出版社/メーカー: Simon & Schuster
- 発売日: 2007/09/03
- メディア: ペーパーバック
「巻を措く能わず」 (unputdownable, page-turner) [読書と英語]
秋を迎え、本を読むにうってつけの季節になった。大学生の頃、ペーパーバックを読んでいて、途中で止めるのが惜しいと初めて感じた時はうれしかった。「巻を措く能わず」 というやつで、日本語を読む感覚にほんの少しだが近づけたように思った。
「歴史をかえた誤訳」 (鳥飼 玖美子) [読書と英語]
前回は定冠詞の有無をどう解釈するかが論議となった国連決議について書いたが、このエピソードは、世界情勢や歴史の本に書かれていて、これまで何回かお目にかかったものだ。しかし(あくまで私が見た限りだが)英語の学習書で目にした記憶はない。定冠詞を説明する上で比較的わかりやすい例だと思うし、歴史的なエピソードとしても意味があると思うのだが。
「ヒロシマ」以前に原爆の犠牲になったアメリカ人 [読書と英語]
広島に投下されることになる原爆のウラニウムは、アメリカ本土から巡洋艦インディアナポリスによって投下部隊の待つ太平洋のテニアン島に運ばれた。大役を果たして島を離れた後、インディアナポリスは、日本の潜水艦に発見され、攻撃を受けて沈没する。
それでも大勢の乗組員が海に脱出したが、漂流している彼らが発見されたのは3日以上も後のことで、それまでに大半の乗組員が力尽き、あるいはサメの餌食となって死亡した。先日紹介したノンフィクション "Shockwave" もこの出来事について触れている。私は記憶にないが、映画「ジョーズ」でも言及があったという。
それでも大勢の乗組員が海に脱出したが、漂流している彼らが発見されたのは3日以上も後のことで、それまでに大半の乗組員が力尽き、あるいはサメの餌食となって死亡した。先日紹介したノンフィクション "Shockwave" もこの出来事について触れている。私は記憶にないが、映画「ジョーズ」でも言及があったという。
タグ:ヒロシマ
「カウントダウン・ヒロシマ」 Shockwave [読書と英語]
Shockwave: Countdown to Hiroshima (P.S.)
- 作者: Stephen Walker
- 出版社/メーカー: Harper Perennial
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: ペーパーバック
人類初の核実験から広島への原爆投下までのおよそ3週間を、科学者や軍人、アメリカと日本の政治家、そして広島市民の姿を通して描いた、最近のノンフィクションである。
タグ:ヒロシマ
「ダ・ヴィンチ・コード」より面白かった「天使と悪魔」 [読書と英語]
にほんブログ村← 参加中です