「過半数」と majority [注意したい単語・意外な意味]
以前ほど英文ニュースを読まなくなってしまったが、日本の総選挙を報じるいくつかの記事に目を通してみた。今回の結果についてはさておき、英語を眺めていて「なるほど」と再確認したのは majority に不定冠詞がつくことだった。
「~みたいな」「~ていうか」の like [注意したい単語・意外な意味]
前回、日本語でも英語でも見られる語尾上げ言葉について書いたが、紹介した記事のひとつに "Like, uptalk?" という題がついていた。この、前置詞ではない like も何となく日本語と似ているのが面白い。つまり、特段の意味がない「みたいな」という言葉を使う人がいるが、あれにそっくりな感じがするのである。
compromising と uncompromising [注意したい単語・意外な意味]
compromise には「妥協する」以外の意味もあることを前回取り上げたが、形容詞の compromising も辞書を見ると「妥協的な」というような語義は載っていない。あるのは「名声や信用などを危うくする、名誉を傷つける」といった訳語だ。
「妥協する」ではない compromise [注意したい単語・意外な意味]
新作映画「スター・トレック」 Star Trek に出てきた英語表現の中で面白いと思ったものに compromise がある。おなじみの「妥協する」とは違う意味もあることは知っていたが、実際に使われているのを見聞きするとやはり印象に残るものだ。
タグ:スター・トレック
続・chad および pregnant [注意したい単語・意外な意味]
chad にはいくつか種類があるそうで、例えば次のサイトに詳しい記述がある。
http://www.macmillandictionaries.com/wordoftheweek/archive/041101-chad.htm
http://www.wordspy.com/words/chad.asp
http://www.macmillandictionaries.com/wordoftheweek/archive/041101-chad.htm
http://www.wordspy.com/words/chad.asp
「窓」ではない window [注意したい単語・意外な意味]
北朝鮮のミサイル発射を伝える英文記事について続ける。今回北朝鮮は、「人工衛星」を4月4日から8日までの期間、それぞれ午前11時から午後4時までの間に打ち上げる、と関係機関に事前通告していた。
平和利用とのポーズを示すためと受け取られていたが、それはともかく、この予定期間を伝えるのに window という単語を使っていた記事があった。単純な「窓」以外に window が使われる実例ともいえるので、覚えておきたい。
平和利用とのポーズを示すためと受け取られていたが、それはともかく、この予定期間を伝えるのに window という単語を使っていた記事があった。単純な「窓」以外に window が使われる実例ともいえるので、覚えておきたい。
タグ:科学・技術
「制裁」とは正反対の sanction [注意したい単語・意外な意味]
北朝鮮のミサイル発射で、日本が経済制裁を強化することになった。これに関連して sanction という単語について短く書いておきたい。これまでも、「辞書を引かずにひたすら読む」だけでは誤ったイメージを抱きかねないと思う単語や表現を取り上げているが、これもそのひとつといえるかもしれない。
consequence は「結果」でいいのか [注意したい単語・意外な意味]
前回に続いて北朝鮮のミサイル発射について。北朝鮮は今回、「人工衛星打ち上げ」の事前通告をしていたこともあって、日本を含む諸国がいろいろな外交努力を行った。
アメリカのクリントン国務長官は consequence を使って次のように発言し、テレビのニュースでも何回か耳にした。
アメリカのクリントン国務長官は consequence を使って次のように発言し、テレビのニュースでも何回か耳にした。
タグ:クリントン
怒っても怒らせても outrage [注意したい単語・意外な意味]
good question は「いい質問」か [注意したい単語・意外な意味]
英語学習で私は、演説のほかインタビューも利用してきた。一方的なスピーチと違い、やりとりで話が展開するのが面白く、いろいろな発見もある。ある日私が気づいたのは、"That's a good question." を「いい質問ですね」と訳していいものだろうか、ということだった。
インタビューや講演・会見の質疑応答を聞いていると、質問を受けた話し手が、この言い回しを枕詞のように口にしてから答えることがある。
中学生でもわかる英語であり、英語学習雑誌に載っているインタビュー記事でこう訳されているのを読んだことが何回かある。またテレビで何かの記者会見の通訳を聞いていたら、やはり「いい質問」と訳されていたのを覚えている。
「待ってました」「よくぞ聞いてくれました」と、質問した人をほめているのだろうか、まあ、場合によっては社交辞令かもしれない。初めはその程度の認識だったが、そのうちにどうも違和感を持つようになってきた。
オバマ宣誓のミスと swear の2つの意味 [注意したい単語・意外な意味]
前回紹介したオバマ宣誓の「とちり」をめぐるCNNのリポートには、swear のもうひとつの意味にひっかけて面白さを出しているところがあった。swearwords という単語を使っているのがそれで、動画の見出しも A swearing-in worth swearing at. となっていたが、「ののしり言葉(を使う)」という方の意味である。
You can talk. と You can't talk. は同じ意味 [注意したい単語・意外な意味]
先日 Now you're talking. を取り上げたついでに、句動詞ではない talk がらみの表現をさらにあげてみたい。まずは Look who's talking. である。「よく言うよ」「君だって大きなことは言えまい」ということで、英英辞典では次のように説明されている。
これと同じ意味を持つのが You can talk. という表現である。「あんた、話せるね」という意味になるのだったら日本語と同じで面白いのだが、やはりそう都合よくはいかない。
- (informal) used to tell somebody that they should not criticize somebody else for something because they do the same things too:
'George is so careless with money.' 'Look who's talking!'
これと同じ意味を持つのが You can talk. という表現である。「あんた、話せるね」という意味になるのだったら日本語と同じで面白いのだが、やはりそう都合よくはいかない。
celebrity と「セレブ」 [注意したい単語・意外な意味]
celeb をめぐってさらに続ける。「セレブ」という言葉を聞くようになって久しいが、私がこの日本語を誤解しているのでなければ、celebrity と必ずしも意味が同じではないので注意が必要だ。前回の cause célèbre で見たように、この単語は famous という意味が基本にある。
タグ:カタカナ語
dead heat と「デッドヒート」 [注意したい単語・意外な意味]
前回のオリンピックと heat からの連想でもうひとつ。dead heat は「同着」「引き分け」という意味であり、いわゆる「デッドヒート」ではない、とはよく指摘されることである。競技についてはそうなのだろうが、次の例のように比喩的に使った場合は「大接戦」ととらえても間違いとはいえないのではなかろうか。
オリンピックと heat 「(予選の)組」 [注意したい単語・意外な意味]
この夏の楽しみといえば、やはりオリンピックである。中継を見ていると、例えば水泳の予選で選手のスーパーに、名前とあわせて HEAT 1 などといった表示がされているのに気づく。難しいことを書く気になれない夏休みの時期なので、この名詞について短く書いて不勉強の罪滅ぼしとしたい。
heat といえば「熱」「暑さ」「高温」などの訳語を思い浮かべるが、スポーツについて上記のように使う場合は、予選の「組」や「1回」を意味する。
heat といえば「熱」「暑さ」「高温」などの訳語を思い浮かべるが、スポーツについて上記のように使う場合は、予選の「組」や「1回」を意味する。
タグ:文法・語法
vinyl とビニールと plasticと [注意したい単語・意外な意味]
このところ「紙ジャケット」の関連で書いているが、コンパクト・ディスクの誕生で姿を消すかに思われたLPレコードは、数は激減したが今も生産が続いている。この「レコード」を英語では vinyl ともいうのが面白い。「ヴァイナル」と呼ぶ人もいるが、つまりは「ビニール」のことである。
reach for the stars は「高望みする」か [注意したい単語・意外な意味]
誤用かもしれない astronomical chance の実例について前回取り上げたが、ここから連想した表現がある。star という単語が使われているが、私は最初に日本語に沿って誤ったイメージで記憶し、後に unlearn するはめになった。reach [shoot] for the stars というイディオムがそれである。
astronomical の謎 [注意したい単語・意外な意味]
mathematical chance は、面白いことに「ありそうにない」という意味になると前回書いたが、astronomical を使って同じようなことを表現したと思われる例をいくつか見つけた。しかし辞書にはそうした定義は出ていないし、どうも誤用ではないかとも考えられ、ちょっと不思議な実例である。
「数学の」ではない mathematical [注意したい単語・意外な意味]
意外な意味を持つといえそうな学問系の単語として前回 scientific を取り上げたが、もうひとつ、mathematical について書きたい。「数学の」の他、「厳密な」「非常に正確な」「確かな」などは想像の範囲内だが、さらに一見逆のようにも思える「ありそうにない」という意味もあるのだ。
「科学の」ではない scientific [注意したい単語・意外な意味]
前回のような意外な意味を持つ形容詞といえば、以前 philosophical をあげたことがあるが、学問系の面白い単語は他にもある。例えば scientific を英和辞典で引くと、「系統立った」「厳正な」、さらには「(競技者が)専門的な技術を持つ」「(わざが)巧みな」とある。
「仮の」ではない tentative [注意したい単語・意外な意味]
前回の jealous もそうだが、単語は最初に覚えた意味にいつまでも縛られることがあるのでやっかいだ。今回取り上げる tentative も、私は目にすると今でも「試験的な」「暫定的な」「仮の」といった訳語がまず頭に浮かび、そうした呪縛の強さを思い知る。
「嫉妬深い」ではない jealous [注意したい単語・意外な意味]
先日、単純に「ロマンチック」といえない romantic について取り上げたが、男女関係には嫉妬もからむ。そこで jealous である。この単語を「嫉妬深い」「ねたんで」といった訳語だけで覚える人もいるのではと思うが、この他、一見まったく異なるような意味もあるので注意が必要である。
タグ:翻訳・誤訳
「ロマンチック」ではない romanticize [注意したい単語・意外な意味]
「ロマンチック」と訳したくない romantic について触れたので、蛇足かもしれないが romanticize について短く書く。「ロマン化する」「空想的に見る」といった訳しか書いていない英和辞典もあり、ちょっと不満を感じるからである。
タグ:辞書
続・romantic は「ロマンチック」か? [注意したい単語・意外な意味]
前回の続きである。私が romantic に注意するようになったのは、その昔、ある小説の翻訳を読んでいたら、性的関係があることが明らかな男女を「ロマンチックな関係」としていたところがあり、ちょっとひっかかったからだ。文脈や雰囲気からも、その2人の間柄を表すのに国語辞典的な意味での「ロマンチック」を使うのはどうもふさわしくないのでは、と考えた。
romantic は「ロマンチック」か? [注意したい単語・意外な意味]
先日、「東海道」や「奥の細道」を取り上げたらドイツの「ロマンチック街道」を連想したので、ついでに romantic について書くことにする。この単語を男女関係に使った場合、「ロマンチック」という日本語をそのままあてはめていいものだろうか。
タグ:カタカナ語
「サイレン」ではない siren [注意したい単語・意外な意味]
この週末に聴いたドビュッシーの管弦楽曲「夜想曲」は3つの曲からなるが、終曲は「シレーヌ」と題されている。美しい歌声で船乗りを惑わして難破させてしまう水の精のことで、「セイレーン」とも呼ばれる。siren の由来でもあるが、ここから連想した表現 siren call について書いてみたい。
artful と artless [注意したい単語・意外な意味]
前回 "Artful Dodger" という言葉を取り上げたついでに、artful と artless について書いてみたい。art からの連想で、前者を「芸術性にあふれた」と肯定的、後者を「芸術的でない」と否定的、というように類推すると、誤りになることがあるので注意が必要だ。むしろ逆に考えた方がいい場合がある。
「情熱的」ではない passionate [注意したい単語・意外な意味]
前回も触れたTVドラマ「スター・トレック」に主演しているのは、パトリック・スチュワート Patrick Stewart というロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身のベテラン俳優である。いまブロードウェーで「マクベス」を演じている機会をとらえて Newsweek 誌の最新号がインタビューをしていた。ところが記事を一読して、内容のひどさに驚いてしまった。
タグ:スター・トレック
「スムーズ」ではない smooth [注意したい単語・意外な意味]
少し前に医療サスペンス小説 "Gravity" を読んだ際に目にとまった単語や表現を見返して紹介しているが、今回は smooth talking について書いてみたい。次の例のように、smooth は、単なる「なめらかな」ではない場合があるので、ちょっと気をつけたい単語である。
war to end all wars 「あらゆる戦争を終わらせる戦争」って何だ? [注意したい単語・意外な意味]
アメリカ大統領選挙では、クリントン候補が挽回したとたん「オバマ候補の人気に翳り」といった記事が続出したのには面食らったが、それはともかく、先日の TIME 誌に "The Primary to End All Primaries?" というタイトルの関連記事があった。この X to end all Xs は一種のイディオムであり、直訳するとまずい場合がある。
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