「再び訪れる」ではない revisit [注意したい単語・意外な意味]
先日取り上げた大ニュース「重力波の初観測に成功」についての英文記事に revisit という単語が使われていた。「再訪する」という訳語しか載せていない辞書もあるが、今回の記事に当てはまる別の意味もある。注意すべきではと思ったので少し書いてみたい。
ミサイルと rocket は違うのか (北朝鮮が弾道ミサイル発射) [注意したい単語・意外な意味]
北朝鮮が発射したのは「ミサイル」なのか「ロケット」なのか。今回もまた、呼び方についての疑問・議論をネットで目にした。「海外メディアは“ミサイル”ではなく“ロケット”を使っている」というような指摘だが、日本語と英語を1対1で結びつけたことによるズレがあるのではないかと感じる。
タグ:国際問題
気をつけたい so-called 「いわゆる」の意外なニュアンス [注意したい単語・意外な意味]
このところ、疑念や皮肉を表す scare quotes や air quotes といったクォーテーションマークについて取り上げていて、so-called にも同じようなニュアンスがあると書いたが、こちらについてもう少し紹介しておこう。
satisfactory 「命に別状はない」 [注意したい単語・意外な意味]
satisfactory といえば、とりあえずは「満足のいく」「十分な」「まずまずの」などとして覚えておけば事足りるだろうが、前回「水陸両用車」を意味する duck を取り上げたのと同じ記事の中に、ちょっと目を引く使い方の実例があったので紹介したい。
「侵略」と aggression と invasion ~安倍総理の「戦後70年談話」英語版を読む [注意したい単語・意外な意味]
この週末、首相官邸のホームページにある安倍総理の「戦後70年談話」を日本語と英語で読み比べてみた。
今回の「談話」は英語版が同時に公表されたとのことだが、日本のマスメディアも英語版を全文掲載したり、どのような英語表現が使われているかを記事にしたりと、対外発信に関心を持ったことがうかがえる。
今回の「談話」は英語版が同時に公表されたとのことだが、日本のマスメディアも英語版を全文掲載したり、どのような英語表現が使われているかを記事にしたりと、対外発信に関心を持ったことがうかがえる。
mirror image の2つの意味 (アシモフ「ファウンデーション」) [注意したい単語・意外な意味]
前回取り上げた mirror から、mirror image という表現を連想した。文字通り「鏡像」ということだが、「鏡の像のように左右が逆になっている」点に焦点を当てるか、「鏡に映ったように同じ(似ている)」点に目を向けるかで、訳語も違ってくることになるだろう。
タグ:SF アイザック・アシモフ
「技術的に」ではない technically [注意したい単語・意外な意味]
かなり前に redshirt というアメリカ語を取り上げたことがある(→「やられ役」を英語で何という?)。SFテレビドラマ「スター・トレック」に由来する。
ピンチの時に死ぬのは決まって保安部という部署(赤い制服)に所属する”その他大勢”の隊員で、レギュラー俳優陣が演じる上級士官は絶対に死なない。当然とはいえ理不尽なこの設定を利用した、その名も Redshirts というSF小説があり、先日読了した。
この作品に、「技術的に」と直訳しては意味をなさない technically の実例が複数出てきた。よく見聞きする使い方なのでご存知の方も多いだろうし、自分もこのブログですでに取り上げたと思っていたが、過去のエントリを検索したら記憶違いでそうではなかったので、今回の本をきっかけに書いてみよう。
ピンチの時に死ぬのは決まって保安部という部署(赤い制服)に所属する”その他大勢”の隊員で、レギュラー俳優陣が演じる上級士官は絶対に死なない。当然とはいえ理不尽なこの設定を利用した、その名も Redshirts というSF小説があり、先日読了した。
この作品に、「技術的に」と直訳しては意味をなさない technically の実例が複数出てきた。よく見聞きする使い方なのでご存知の方も多いだろうし、自分もこのブログですでに取り上げたと思っていたが、過去のエントリを検索したら記憶違いでそうではなかったので、今回の本をきっかけに書いてみよう。
Redshirts: A Novel with Three Codas
- 出版社/メーカー: Tor Books
- 発売日: 2012/06/05
- メディア: Kindle版
betray 「さらけ出す、あらわにする」 (カズオ・イシグロ「日の名残り」) [注意したい単語・意外な意味]
前回はカズオ・イシグロの名作「日の名残り」から、person という単語の持つ"ちょっと意外な意味"を実例とともに取り上げたが、同じように「一対一対応」で考えるとまずい例がこの作品に出てきた。
betray がそれで、「裏切る」という訳語だけでこの単語をとらえている人は、以下の文を読むと戸惑うはずである。
betray がそれで、「裏切る」という訳語だけでこの単語をとらえている人は、以下の文を読むと戸惑うはずである。
person 「身体」 (カズオ・イシグロ「日の名残り」) [注意したい単語・意外な意味]
文学はあまり読まない私だが、例外的に愛好している作品として、日系イギリス人作家カズオ・イシグロの「日の名残り」を少し前にあげた。その後また読みたくなり、このほど読了した。この小説に「人」とは異なる意味の person が何度も出てきたので紹介しよう。
タグ:カズオ・イシグロ
signature 「(ある人の)代名詞的な、トレードマークの」「その人ならではの」 [注意したい単語・意外な意味]
前回、"片づけコンサルタント"近藤麻理恵さんにちなむ表現を紹介した際の実例に、もうひとつおもしろいと思う単語があったので取り上げたい。signature がそれだが、「署名、サイン」と取ると意味がよくわからない。
fresh water は「新鮮な水」か? (カズオ・イシグロ「日の名残り」) [注意したい単語・意外な意味]
先日取り上げた frisk は、おもしろいことに、由来となっている複数のヨーロッパ言語の単語を介して fresh とつながりがあることを辞書で知った。この fresh について、落とし穴かもしれないと連想したことがあるので書いてみたい。
タグ:カズオ・イシグロ
a jack of all trades は「多芸多才」か「多芸は無芸」か [注意したい単語・意外な意味]
前回の a man for all seasons からの連想で、jack of all trades を取り上げたい。この表現は「多芸は無芸」というネガティブな意味で使うのが正しいとされるが、調べてみたら、どうもネイティブスピーカーの間でもブレがあるらしいことを知ったからだ。
タグ:=英語のトリビア
「運命」ではない fate (マレーシア機行方不明) [注意したい単語・意外な意味]
行方不明のマレーシア機にからんで書いた前回の英文に fate が出てきたが、ふと気になってこの単語を辞書で見たら、「運命」やそれに類する訳語や例文ばかりが目につくように思ったので、これについて取り上げたい。
「祝福」ではない blessing [注意したい単語・意外な意味]
映画のカタカナ題名を利用した単語・熟語の学習について先日触れたが、翻訳を読んでいて意味が通らないところがあったら原文を確かめて英語を学ぶという、ちょっと意地悪な手段もある。そんな例として blessing を取り上げたい。
half 「2人組の一方、片割れ」 [注意したい単語・意外な意味]
前回に続き、パティ・ボイド(ジョージ・ハリスンとエリック・クラプトンの元妻)の自伝から。half は「何かを半分にした片方」というイメージを私などは持ちがちだが、「一組になっているものの片方」のことでもある。
「たぶん」を意味する I think [注意したい単語・意外な意味]
何の変哲もない I think には、実は注意したい使い方がある。何回か取り上げたフレドリック・ブラウンの短編 The Star Mouse に、それを思い起こさせるくだりがあったので書き留めておきたい。
「未婚」とは限らない unmarried [注意したい単語・意外な意味]
前回 confirmed bachelor という表現を取り上げた際に引用した辞書の説明に unmarried が使われていた。この単語の意味は「まだ結婚していない」とは限らないので、短く書いておきたい。
ロシアに隕石落下~meteor と meteorite はどう違うのか [注意したい単語・意外な意味]
ロシアの隕石落下は映画「アルマゲドン」のようで驚いたが、ネットを見ると meteor を使っている英文あり、meteorite としている記事あり、意味がどう違うんだったけという疑問が湧いた。
タグ:科学・技術
out there 「いっちゃってる」「ぶっとんだ」 [注意したい単語・意外な意味]
自分からは使えない表現 out there [注意したい単語・意外な意味]
前回取り上げたダニエル・クレイグについての記事に out there という言葉が出てきた。ありふれた単語の組み合わせだが、ネイティブならではの表現だと見聞きするたびに感心する。
fleece 「フリース」「だまし取る、まき上げる」 [注意したい単語・意外な意味]
小説「ゴールデン・フリース」 Golden Fleece で目にした単語を最近いくつか取り上げた。fleece は衣服でおなじみとなったが、あらためて辞書で引いたら、おもしろい意味があることを知った。
タグ:=英語文化のトリビア
Don't be thick. 「バカなことをいうな」 [注意したい単語・意外な意味]
先日紹介したSF小説 Golden Fleece (邦題「ゴールデン・フリース」 )に、"Don't be thick." という言葉が出てきた。thick になってはダメ、とはどういう意味だろうか。
適切でない appropriate [注意したい単語・意外な意味]
先日読んだSF小説 Golden Fleece (邦題「ゴールデン・フリース」)に出てきた動詞 appropriate を取り上げたい。「適切な」という形容詞で覚えた人が多いと思うが、動詞としては、適切とはいえない行動を指すことがあるのがおもしろい。
タグ:ジェームズ・ボンド
辞書に載っていない franchise 「(映画などの)シリーズ」 [注意したい単語・意外な意味]
このところ007についての英文を取り上げているが、この手の記事で franchise という単語を目にすることがある。日本語にもなっている「フランチャイズ」だが、こうした例では、「シリーズ」という意味で使っているらしいことが文脈からわかる。
pledge 「寄付金」 [注意したい単語・意外な意味]
この単語は、「約束」「誓約」「公約」などと覚える人が多いのではと思うが、「担保」「抵当(物)」、さらには「寄付金」などの意味もある。誓約したことのあかし、ということだろうか。
インド系作家ジュンパ・ラヒリの短編「病気の通訳」の原文から。
インド系作家ジュンパ・ラヒリの短編「病気の通訳」の原文から。
tank 「失敗する」 [注意したい単語・意外な意味]
今回も、俗語として覚えた単語を雑誌の記事で見かけた例をひとつ。tank は「タンク」「戦車」といった名詞のほか、自動詞として「失敗する」という意味もある。前回取り上げた TIME の Person of the Year "The Protester" に、この tank が出てきたので思い出した。
equivocal (ambiguous との違い) [注意したい単語・意外な意味]
前回 Word of the Year で紹介した tergiversate の定義に同義語として equivocate が出てきた。その形容詞の equivocal はしばしば目にする単語だ。
「祈る」ではない pray [注意したい単語・意外な意味]
シャーロック・ホームズ物語で覚えた英単語について短く書く。pray は基礎的な単語のひとつだが、ホームズ譚の原文を読んでいると、「祈る」と取ったのでは意味が通らない文にしばしば出会う。
以下のように使われているが、どれも事件を持ち込んだ依頼人に対してホームズがかけた言葉である。
以下のように使われているが、どれも事件を持ち込んだ依頼人に対してホームズがかけた言葉である。
タグ:シャーロック・ホームズ
動詞の dwarf [注意したい単語・意外な意味]
先日ちょっと触れたディズニー映画「白雪姫」の原題は Snow White and the Seven Dwarfs だった。そこからの連想だが、この dwarf には動詞としての用法がある。私にとって頭でわかっていても自分からはなかなか使えない単語である。
anniversary は「記念日」ではない [注意したい単語・意外な意味]
先日、英語で雑談をする機会があり、「オウム真理教の事件から15年」と表現するのに anniversary を使ったら、その場にいた人(日本人)から不適切ではないかと言われた。日本語の「記念日」の印象から anniversary は悪いことには使えないと誤解している人が結構いるのではないかと思ったので、短く書いてみたい。
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